2012年03月13日

第51回 いけばな協会展

今年も春一番の花展である「いけばな協会展」が、3月8日から12日まで6日に渡り
松坂屋上野店で開催されました。

都古流からは6名が参加し、それぞれの思いのたけをお花に込めて発表しました。

正式な作品写真は後日ホームページにアップしますが、
スナップ写真とともに、まだまだ鮮明な花の記憶をお届けします。


2次展には、久々に連作を発表しました。
富士山とその裾野を流れる河、そして波間をゆく船という景色を生けあらわした一作です。
都古流 2次展作品
花材は、二重切はヒバ、船には菊を用いました。

富士の副家元は、一年半ぶりにこの花型に挑戦しましたが、まだまだ家元の富士には近づけないと、
次にこの作品を生ける機会に向けて改良点を探し始めています。次回をお楽しみに。

菊を生けた小林さんは、年明けから菊のお稽古を積み重ねこの日を迎えました。
その成果か当日はさらさらと菊を生けあげ、家元を驚かせていました。

重たい印象の二重切に合わせて、さらっと生けた菊。
強弱の効いた連作になったのではないでしょうか。





3次展には4名が参加しました。家元と土居一彩さんの黄色い花の席からご紹介します。
3次6ブログ.jpg
左は4世家元・小林一阿彌作品、草ものを使った3筒生け、都古流では「澪標(みおずくし)」と呼ばれる花型です。
3筒にそれぞれ大きさ・花型を変えて生け、一作にまとめるというものですが、
撓め(人の手で植物を曲げること)が効かない草もので3筒を生け分けるのは簡単なことではありません。

今回家元はあえてユーカリとオンシジウムという撓めの効かない花材を選び、
華やかで可愛らしく、小さくて身近に感じられるお生花を作り上げました。

生徒さんたちの作品を指導する傍らで、あっという間に3筒を生けてしまった家元先生、
今年83歳を迎えるとは思えない花とのやり取りは圧巻でした。



右は土居一彩さんの山茱萸。

お花屋さんから届いた山茱萸の束には、教室の天井(約3m)に引っかかってしまう長い枝や、
女性の腕ほどもある太い朴が混じり、一目見たときには口をポカンと開けてしまう程でした。

しかし、その難物を根性で一作にまとめ上げ、女性の作品とは思えない力強さを感じさせる作品に仕上がりました。





もう一席は柔らかい線と厳しい線の対比も感じられる2作品が並びました。
3次展43番席.jpg

左は今回花展初出品の西山一芳さん。

西山さんも2月初めから桜を猛特訓。この日に備えて着々と腕を上げました。
「優雅な線」を信条に、お仕事帰りの厳しい時間制限の中、ここまで頑張りました。いかがですか?
予定通り展示日にほぼ満開となり、一足早い幽玄な桜の世界に酔ってしまいそうな作品になりました。



右は金子一元さんの木瓜。

金子さんはいけばなコンクールでも受賞歴のある花展のベテラン。
今回は西山さん・土居さんの若手に触発されて、いつも以上に生き生きとした表情で花に向かい、
「今回の木瓜の線は好き」とにっこりと笑って仕上げた作品です。
また、ベテランなのに研究熱心で、興味のある作品については作家の先生に声を掛けてお話を伺い、
「今度あんな感じのお花、挑戦してみようかしら」と話していました。
今度、を楽しみにしています。




以上、都古流の6作品、いかがですか?
会場にお運びくださった皆様、どうもありがとうございました。
ぜひ、ご感想お聞かせください、お待ちしております。




なお、昨年のいけばな協会展、2次展開催時に東日本大震災が発生しました。
あれから早くも一年が過ぎました。
あらためて犠牲になられた方々のご冥福と、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。











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2012年02月21日

木瓜三昧+チューリップ

お稽古の花材に、とても太くて立派な木瓜が届きました。

花付きも良く、花展用みたいな花材!
でも2本一組。

そこで、今回はそれぞれの枝ぶりを生かす事をお題に、みなさん頑張りました。
3名の作品をご紹介します。

最初は一敬さんの作品。
20120216 一敬さんのボケ.jpg
一敬さんは最初に木瓜を手に取ったチャレンジャー。
包みを解いた木瓜の枝のあまりの広がり具合にしばし唖然。
でも、しっかりと枝ぶりを見て、2本を3本に切り分けてじっくりと取り組みました。

枝の太い部分と細い部分を対照的に使い、無駄な線はしっかりと落して行きました。
花のついた枝はどうしても切り落とす事をためらってしまいますが、一敬さんは潔く切り落としてゆきました。
その結果気持ち良い「間」が現れ、すっきりとした作品に仕上がりました。



2作目は中堅の一希さん。
一希さんの木瓜.jpg
一敬さんとは違い、上に上にと伸び上がる直線的な木瓜。
木瓜特融の厳しい線を生かして、立ち上るようなイメージの作品に仕上がりました。

真(中央の線)と添(左に伸びる線)は太い線をすっきりと使い、
留(右に伸びる線)は細い枝を数多く用いてバランスを取っています。

お仕事帰りと思えない力強い作品になりました。が、
「家で生けるのは明日になるかもしれません・・・」と一言。
OKです、教室でものすごく頑張ったから。


3作目はベテラン一元先生。
一元先生のボケ.jpg
くねる様な木瓜の線を生かして、二重撓めに挑戦でした。
二重撓めとは、ふつう弓型に曲げる真の線を、もう一回撓め返し、S字型にする花型です。

楔撓め・折ため・捻りためと、さまざまなための技法を駆使しての一作。
いつもよりもじっくりと時間をかけて、丹念に仕上げた作品です。


3作とも、とても大きくて立派な作品に仕上がりました。
こんな大きく大変な作品ばかり並べると、「お生花って大変そう・・・」と思われてしまいそうなので、
最後はかわいい作品を一つ、ご紹介します。

一彩さんチューリップ.jpg

一彩さんのチューリップのお生花。
可愛らしい春の花、チューリップも、素敵なお生花になります。
マンションのお玄関にもピッタリの大きさと華やかさ。

こんなお生花なら、身近に感じられますね。

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2012年02月13日

線にこだわった2作品です。

寒い日が続いています。
そんな中、中野通りでふと空を見上げると、桜の蕾が少し膨らみ初めていました。

もうすぐ春ですね。

お稽古には今回も春の花材がたくさんやって来ました。
今回は傾く線にこだわった2作品をご紹介します。

最初は一秀さんの盛花です。
一秀さん.jpg
花材はドラセナ・モンステラ・カラー。

一秀さんは今、基本花型のうちの傾ける型を勉強中です。
今回は太く力強いドラセナを、葉の整理によって軽やかな線に変えて傾けました。


次はOさんの作品。
Oさんの投げ入れ.jpg
黒文字・スイートピー・玉シダの三種を使いました。

こちらは剣山などの花留を使わず、花を一つ一つ花器に入れてゆく投げ入れの手法で生けました。
ふんわりとと横に伸びた黒文字の線が、繊細な表情を見せている一作です。


春は色とりどりの花が咲き、ほんとうに美しい季節です。
ぜひみなさんもお部屋に花を飾って、美しい季節を楽しんでください。

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2012年01月25日

一李さんの第一作。もう春の気配です。

今年もよろしくお願いします。

このところ東京でも雪景色。
でも今日あたりは柔らかい日差しに残雪がキラキラと輝き、
寒さの中にも春遠からずの趣が感じられました。

お稽古ではもうすでに春の花が教室を彩っています。
枝ものでは山茱萸や黄葉手毬、花ものではチューリップや菜の花・・・。

今日の一作は一李さんの自由花です。

一李さんの自由花.jpg

花材は木苺・チューリップ・マーガレット。
木苺の伸び上がるような線が印象的な作品です。

一李さんはこの日が今年の初稽古。
そして「一李さん」としても初生けでした。
今年のお正月に目出度く雅号を頂き、華道家として新たな一歩を踏み出した記念作品です。

お花を生けたあと、お花の前でお免状を持って家元と記念撮影をした一李さん、
見ている私もうれしくなる、素敵な笑顔での一年の始まりとなりました。



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2011年11月08日

錦木のお生花

11月に入り、急に涼しくなって来ました。

中野の銀杏並木もほんの少し色づいて来ています。

今回のお稽古で2はい(お花は一杯・2杯・・・と数えます)だけ届いた錦木は
緑から赤へのグラデーションと、
つややかで真っ赤な実がとてもきれいだったのです。

思わず生けてみたくなり、ショーウィンドウ用に1杯、頂いてしまいました。

nisikigi.jpg

紅葉(こうよう。もみじではなく)は、山の風景を写す景で
一作の上の方に赤く色づいた葉を、下の方に未だ緑の葉を配して生けます。

今回は緑の葉のついた枝が少なかったので
緑の葉が唯一ついていた留(写真右下の枝)を流して、少ない緑の葉の存在を強調してみました。


先日の日曜日に高尾山で紅葉と野点を楽しむ予定だったのですが、あいにくの雨・・・。
なので、中野でむりやり紅葉を楽しんでみました。

2011年10月26日

シルバーキャットのお生花

最近では、和の花を目にする機会がだんだん減って来ました。

先日も、日本いけばな芸術展で撫子を注文したのですが、
洋風の(カーネーションのような)撫子しか出回っていないということで断念しました。

ということで、お生花(せいか)でも洋花を使うことが多くなってきた今日この頃。

今回はシルバーキャットというお花を使ってのお稽古の作品をご紹介します。


こちらがシルバーキャットです。

シルバーキャット

2pくらいの、白く光る花穂がふわふわと枝先に広がり
それがきっと猫のしっぽを思わせるのでしょうね。

この花を、秋に特に人気の手桶花器(かるかや)に生けた一美先生の作品です。
一美先生のシルバーキャットのかるかや

実はこの花ちょっと曲者で、撓めようとすると「パキッ!」と言うんです。(折れるんです)
お生花は曲線で構成されるいけばな、曲がってくれないと困ります。

そんな曲者を難なくこなしたベテランの一美先生
経験と集中力のなせる技ですね。



なお、文頭で触れました「日本いけばな芸術展」、都古流からは6名が参加し
古典生花と新生花を発表しました。
その作品をホームページにアップしましたので、こちらもぜひご覧ください。

http://www.k4.dion.ne.jp/~miyako/
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2011年10月05日

氷室杉と行李柳

早くも10月に入りました。
年賀状の受け付けも始まり、年末へ一直線でしょうか・・・?

いけばなでは色とりどりの初秋から、渋い色合いの晩秋に
季節が移って来たようです。


今回はそんな渋い美しさを楽しむお生花2作です

Iさんの氷室杉

花材は氷室杉。
今年からいけばなを始めたIさんの作品です。

ちょっとくすんだ緑色の葉をつけた氷室杉。
水槽の中の植物のような透け感がありながらも力強さのある花材です。


その強さを一層引き立てるよう、枝使いに強弱をつけた力作。
いけばなは経験も大切ですが、それ以上に花に対峙する真摯な気持ちが
作品に現れるものだと感じた一作でした。





一芳さんの行李柳

こちらは、一芳さん作の行李柳です。

行李柳は細い柳を一本づつ丁寧に根気よく線を整えて仕上げる、
お生花の中でも最も難しい手法を用いる花材の一つです。

このように細い柳は、数多い枝をまとめて生ける事から『数生け』、
一本一本の線を整えることを「筋を通す」と言うことから『筋もの』などとも呼ばれます。

今回初めて行李柳に挑戦した一芳さん、
お仕事帰りのお稽古で、途中ちょっと疲れが見えましたが
仕上がる頃には表情がすっきりとしていました!

だって美しく仕上がったもの。

Iさんも一芳さんも、お仕事帰りに渾身の一作、なかなか出来るものではないですよね。
お疲れ様でした。とっても清々しい作品でした。









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2011年10月04日

相撲といけばなの共通点・・・?

琴奨菊関、大関昇進おめでとうございます!
久々の日本人大関誕生に、話題沸騰ですね。
(外国人力士の努力と根性にも頭が下がります・・・。)


そんな琴奨菊関の話題をテレビで見ていたら、興味深い話が出てきました。


土俵入りの際に力士を華麗に彩る化粧回し。
この化粧回しの一番下についている房の部分を馬簾(ばれん)というそうです。

この馬簾、金色や濃紺などを良く見ますが、
大関以上にのみ、紫色を使用することが許されるそうです。

これは江戸時代(と記憶しているのですが、違っていたらごめんなさい)に
大人気だった大相撲に対し、当時の最上位の大関のみ紫色を使用して良いと
朝廷からお許しを頂いたことが始まりだそうです。


都古流の最高位のお許し(お免状)は、『紫幕正師範』といいます。
その名の通り、紫色に白い文字で名前や流紋を染め抜いた幕を持つことを家元から許されます。


その世界で道を究めた者だけに許される紫の色。

昔からのしきたりには、共通点があるのですね。
伝統芸能の世界、奥深いです。




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2011年09月28日

9月のお生花

厳しい残暑にうだうだし、ゆるゆると来た台風に翻弄され、
急に涼しくなっておろおろし、
気づいたら、ブログを更新しないうちに9月がほぼおしまいになっていました。

なので今日は9月のお稽古でのお生花作品をひとまとめにしてご紹介します。

9月は秋らしい作品が目白押しでした。

まずは一美先生の作品です。
一美先生の沢桔梗

緑色の茎の先に紫の花、華やかさはありませんが
楚々とした日本の秋の風情が感じられる花材です。

一美先生はじっくりじっくり丁寧に撓めて、草物とは思えないような
美しい曲線の作品に仕上げてました。





次は一伸さんの秋明菊(しゅうめいぎく)です。
一伸さんの秋明菊

秋明菊はポピーにも似た軽やかな枝先の曲線を持つ秋の花材です。
花は白・中心部は黄色、こちらもさわやかな秋を感じさせる花ですね。

筒型の花器を大小2つ使って、向かい合わせに生るこの花型を都古流では「子持ち筒」と言います。
一伸さんは迷ったりためらったりすること無く、さらさらと2筒生けていらっしゃいました。
ちなみに血液型はB型だそうです・・・。





最後は菊と、もう一種類は名前がわかりません。
家元の散歩のお土産

筒型の花器に生けてあるこの薄に似た植物、実は家元の散歩土産なのです。

ある土曜日の朝、いきつけの病院の診察を終えて帰宅した家元、なぜか満面の笑み・・・。
何かある・・・、と思ったら、後ろに回していた手をぐっと差し出しました。
で、この植物が握られていたわけです。

帰り道にあまりに可愛らしい植物を見つけたので、思わず生けて見たくなったとの事。
で、生けあがったのが上の作品です。

少し薄に似た植物なので、秋らしく月に菊を生けたものと合わせて見ました。
菊は一花一葉といい、極限まで葉をそぎ落とした特殊な型です。

歩きながらでも花を生けることを忘れない家。
あやからなければ、と思った秋の朝でした。

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2011年08月24日

少しづつ、秋が来ています

「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(くさ)の花
芽子(はぎ)の花 尾花葛花 瞿(なで)麦(しこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」

万葉集に詠まれた山上憶良の歌、秋の七草です。


今週のお稽古には、この七種類のうち二種類がやってきました。

先ずは鶏頭です。
鶏頭の自由花
ニューサイランの葉・スターチスと合わせてすっきりとした秋です。

この鶏頭、写真では解りませんがグレープフルーツくらい大きかったです。
でもオレンジ色が爽やかで、巨大さを感じさせない素敵なお花。

この作品を生けた一葵さんのこだわりはニューサイランの葉先を2枚、丸めたところ。
一葵さんいわく、「イカしている」そうです。


もう一つは撫子です。
撫子のお生花
一元先生の作品、ルスカスと合わせて色鮮やかなお生花にしました。

草物の軽やかさを生かす為に花器はかるかや。
風情のある花器にモダンな花、いかがでしょうか。



秋の七草と言っても、朝顔はもう終わりも近く
女郎花や藤袴はこれからです。

上の歌に詠まれた七種類を一度に見られる機会は、
現代ではなかなか無いですね。
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2011年08月07日

この花の名前は・・・?

しのぎ易かった7月が過ぎました。
今月も暑さが少し落ち着いたまま過ごせると良いですね。

さて今回は古典のお生花、夏らしく手桶花器・別名「かるかや」に生けた
江戸の夏を彷彿させる一作です。

一美さんの手桶

黒い手桶に映える茶褐色の葉は、良く見ると葉脈が美しいグリーン、
葉裏は緑褐色で、どの部分をとっても美しい植物なのですが、
この花材の名前は「ディアボロ」、ラテン語で悪魔という意味だそうです。

なぜ・・・?

この作品を生けたのはベテランの一美先生。
「あらー、きれい・・・」
とつぶやいて、その後は無心に生けていらっしゃいました。


手桶はその昔水を運ぶ為に使われていた日常の道具です。
その手桶の形を模して作られた手桶花器、
水を連想させる器なので、夏のひと時涼を感じさせてくれます。
posted by 385 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | お稽古のお生花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月26日

お生花を生けて、暑さを忘れてみましょう

いつになく涼しかったのもほんのひと時、
しっかりと暑い夏が帰って来ました。

「暑い時にこそお生花を生けて、暑さを忘れてしまった」という2作品をご紹介します。

先ずはこちらです。
ネリネ・ドラセナ

花材はネリネとドラセナ。

どちらも草物、自分の手で撓めるのでは無く、
花・葉一つ一つの曲がりを見極めて、美しい線を生かして生けます。

真剣に花を見つめながら不要な線には鋏を入れてゆく、
静かな時間に響き渡る鋏の音は、なんとも涼やかです。


古典のお生花は植物毎に根を分けて生けますが、
こちらはネリネとドラセナを混ぜて生けています。
古典に対して、現代生花(げんだいせいか)という名称で区別しています。

これはお稽古でKさんの生けた作品です。


そしてもう一作、しのぶひばを使っての「添の吹き返し」
ショーウィンドウ用に生けた古典のお生花です。
添の吹き返し

こちらは真っ直ぐなしのぶひばの枝に楔撓めを施して
全ての線を作っています。

静かな教室に響き渡るのこぎりの音(楔撓めにはのこぎりを使います)

ノッて来るとのこぎり音はリズムを刻み始め、
この世界にひばとのこぎりと自分しかなくなり、
そして気が付くと、枝が「の」の字を描いていました。


パチリパチリと静かに鋏を入れるもの
シャカシャカシャカと懸命にのこぎりを動かすもの、
どちらもお生花の醍醐味、暑さも吹き飛んでうのです。

嘘だと思ったら、試してみてください。
本当だって、すぐにわかりますよ!



posted by 385 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | お稽古のお生花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月13日

1年生と60年生

7月早々に梅雨が開け、暑さが本格的になってきました。

この季節の教室では、涼やかな色合いの夏の花(先週は蒲やクルクマ、玉すだれ、半化粧など)か
色も存在感もはっきりくっきりとした南国産のお花が多く見られます。

夏の花は日持ちはあまり良くないのですが、
この季節にしか見られない独特の涼やかな表情があります。

南国の花はさすがに暑さに強く、この季節頼りになる相棒みたいな存在です。
数日飾りたい場合は南の国育ちの花、お勧めです。

さて、今回はモンステラ・ラン(モカラという名前の大輪の欄です)という南国出身の二種に
ソケイを加えた取り合わせをご紹介します。

最初は入会半年、都古流一年生のIさんの基本花型を生けた一作。
Iさんの基本花型

この日のIさんは、白と水色のガラスの水盤を選んでサラッと挿しました。
「いままでで一番上手くできたみたい」とご本人ニコニコ。
可愛らしく涼やかな夏の作品です。

2作目は60年生(61年生だったかも知れません)の一扇先生の作品。
一扇先生の作品
同じ花材で、同じようにソケイをすっと一本伸ばしていますが、
Iさんの可愛らしさとはまた違った落ち着きある作品。

いけばなは華道とも言われます。
華の道を60年以上も歩き続けながら「まだまだ難しいわ」と笑う一扇先生。

何をやっても難しいと思うのも当たり前か、と納得する今日この頃です。




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2011年07月09日

復興支援活動の中間報告

5月末にお知らせいたしました都古流の復興支援花袋および  
その後に発売しました花鋏ストラップ、
沢山の皆様にご賛同頂き、どうもありがとうございました。

6月末で一度区切りを付け、それまでの代金の一部とお預かりしたお気持ちを合わせて
  12,186円
を、福島県災害対策本部に送金しましたので、ここにご報告いたします。

今後も花袋・ストラップの販売を続けると共に
新たな楽しめるいけばな道具を開発し
復興支援活動を続けて参りますので、
どうぞよろしくお願い致します。
 
送金票

なお、HPではご報告しておりましたが
ブログでのご報告が遅れて申し訳ございませんでした。
posted by 385 at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 復興支援 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月07日

LET'S ENJOY ハイビスカス・サマー♪

早くも7月、暑い毎日が続いておりますが、いかがお過ごしですか?

今年は節電サマー、例年にも増して暑さ対策が重要視されています。
ゴーヤを植えて自然のカーテンを作ろうという話も良く聞きます。
自然の力で夏をより快適に楽しむ試みは素晴らしいですね!

と言うことで、都古流からもこのブログをご覧下さっている生徒さんへのプレゼントに
夏の日差しを楽しみに変えてくれるお花を用意しました。

ハイビスカス「オレンジ・フラミンゴ」の鉢植えです。
オレンジ・フラミンゴ

ヒラヒラとフリルのついた花が二段に咲き、その姿はまるで羽を膨らませたフラミンゴのよう。
一目見たら忘れられない、楽しい気持ちにさせてくれる可愛い花です。

育てるもの簡単、毎日のお水と月一回の緩効性肥料で次々に花を咲かせてくれます。
屋外で冬越しもできる強い種類です。

この「オレンジ・フラミンゴ」の鉢植えを先着3名様にプレゼントします。
メールにてご応募下さい。

アドレスは
p-ouchi.385@w5.dion.ne.jp
です。

都古流HPからのメールでもご応募できます。
メールには教室やブログへのご意見ご希望ご感想など書いてくださると嬉しいです。

それではご応募お待ちしてます!!!






posted by 385 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | お花のプレゼント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月15日

大きな葉を使って

大きな葉、使い方一つで作品全体の印象がガラッと変わる難しい花材です。

今回はそんな大きな葉が主役の2作品です。

最初はお生花。
花材は擬宝珠の葉と紅花のお生花です。

擬宝珠は古くからお生花に使われてきた花材です。
小さな紫色の花を高く配し、葉を低めに扱うのが一般的な生け方ですが、
今回は花は紅花を合わせて色合いを華やかに、葉も少し高めに生けてモダンな作品に仕上げました。

擬宝珠と紅花のお生花

この作品を生けた一幸さんはとてもオシャレな方です。
梅雨時の愛用のレインコートは、紅花のような明るいオレンジ色。
お花もレインコートもサラリと鮮やかにこなしていらっしゃいます。


二作目は大きな葉の自由花です。
カラー・ギガンジウム・モンステラ。
カラーもギガンジウムも線の素材、そこに大きな葉が3枚と言う、
なかなか思い切りの良い組み合わせだった気がします。

カラー・ギガンジウム・モンステラ

これを生けた一舞さんは、いつも思い切りの良い花を生ける方です。

今回も大きな頭のギガンジウムをためらう事無くスッパリ切り、
その分カラーの線をなめらかに伸ばして、
カラーとギガンジウムの茎の線の対比を見せてくれました。


ギガンジウムの樹液が壁紙についてしまったら

ギガンジウムは切り口から赤い水分が出てきます。
これが曲者、色が付いてしまうとお洋服や壁や床が赤茶色に染まってしまいます。

必ず紙やビニールなどで付着を防いでください。

でも、いくら気をつけていても付いてしまうこともあります。
教室の壁紙(オフホワイト)にこれが付いてしまったときには、

@住まいの壁紙洗剤でふき取る
A落ちない時には洗濯用の漂白剤を付けて拭き取る。
Bそれでも落ちない時には台所用の漂白剤を付けて拭き取る。

の3段階で落とします。

お試しになる場合は、色柄にはAまでにして下さい。
白い場合のみ、Bもお試し下さい。でも、気を抜くと必要以上に白くなりますのでご注意を!

必ず目を離す事無く、少し薄くなった所で、絞った雑巾できっちり拭き取って下さいね。


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2011年06月13日

中野の住人様へ、コメントありがとうございました。

『協和会展のお知らせ』にコメントを下さった中野の住人様、
どうもありがとうございました。

また、いつもショーウィンドウをご覧下さっているとのこと、
ほんとうにありがとうございます。



さて、ご質問いただいた花器の中について、お話します。

まず都古流のいけばなは、大別するとお生花と自由花の二つあります。

お生花は古典のいけばなで、決まった型を表現するものです。
真・添・留と呼ばれる3本の枝を三角形に形取り、足元(水際と呼びます)を一本にまとめて仕上げます。
主に筒型の花器を使い、木蜜と呼ばれるY字型の股木を花留に使って生けます。

自由花は自分の感性を生かして自由に生るいけばなです。
水盤型の花器に剣山を入れて生けたり、花瓶に花留を用いずに生けるのが自由花です。

(詳しくはHPをご参照下さい。http://www.k4.dion.ne.jp/~miyako/)

ご質問いただいたのはお生花のことと思います。
お生花の型は、其々の枝の長さのバランスが決っています。
また、水際(花器の縁・ここまでお水が入るので水際と言います)から其々の枝の分岐までの
長さのバランスも決っています。

つまり、水際から上で各枝のバランスを整えたものをガラスの花器に生けると
本来見えないはずの水の中の枝も見えて、とても足の長いお生花になってしまうのです。

と言うことで、透明なガラスの花器を使ってお生花を生ることは避けています。


でも一度、ガラスの器で生けたお生花をご紹介したことがありましたので
その写真をご覧下さい。

夏らしいお花2

水の中がご覧いただけるでしょうか。
作品としては花器の縁から上の部分なのですが、水の中まで続いて見えるので、
とても足が長く見えてしまいます。
という事で、その後は透明なガラス器には生けていません。

でも、ご推察の通り、水の中も整えています。
逆に、水の中が整っていないと、水際から上も崩れてしまうんですよ。



なお、形が決るというだけでしたら、2〜3年でかなり美しく生けられるようになります。
(そんな生徒さんが多いです)
しかし、枝1本の選び方だけでも作品は全く違った印象に仕上がりますし、
他の花材との組み合わせ方や花器との相性など、
考えれば考えるほどいろいろなこだわりが出てきます。

いけばなとの係わりが長くなればなるほど、楽しさと共に難しさが増して行くのではないでしょうか。



でも、一言でいうと、お花を生けるのはとても楽しいです。
そんな気持ちが少しでも伝わるように、ショーウィンドウを飾っていますので
また、是非、ご覧下さい。

どうぞよろしくお願いします。


どのようなお答えを載せたらよいかを考えていたら、時間が掛かってしまいました。
お返事が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。

今後もご意見・ご質問には必ずお答えいたしますので
(少し時間が掛かることがあるかと思いますが、)
何かございましたらお気軽にコメント下さいませ。









2011年06月08日

協和会展終了しました。 そしてこれが控えの一作です。

今日は久しぶりの梅雨空です。

先週末の華道協和会展は、前日(木曜日)までの雨模様がうその様な好天に恵まれ
たくさんのお客さまがご来場下さいました。

ありがとうございました。



家元の出品作品は玉シダとばらの子持ち筒。


予想外の好天で陳列室内の温度が上がり、ばらが最後まで元気でいるか心配でしたが
朝の手直しで氷水をあげたら、甲子園球児のごとき根性を見せてくれました。
何と健気なんでしょうか...!

作品はホームページでご紹介しておりますので、下記をクリック!
http://www.k4.dion.ne.jp/~miyako/



さて、あまりの可愛らしさにうっかり2作品分花材を買ってしまった事を先日ご紹介しましたが、
検討の結果教室のショーウィンドウ担当になった控えの一作がこちらです。

デルフィニウムの手桶

花材は白いデルフィニウムと、斑入りの葉が涼しげなゴットセフィアナです。
花の大きさと軽やかさを同時に引き立たせる為に、花器は手桶にしました。
展覧会に飾ったものとは対照的な穏やかで静かな作品です。


残念ながら展覧会場の背景となるコンクリート壁には溶けてしまう色合いだったので
控えの作品となりました。


posted by 385 at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | お花の展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月01日

協和会展のご案内

6月3日(金)から『華道協和会 52回展』が開催されます。
古典様式(主にお生花)の研究をしている多くの流派が参加する展覧会です。
もちろん、古典様式のお花のみの花展です。

古典様式とはいえ、決して渋い作品ばかりでないのがこの展覧会の楽しいところ。
可愛らしいお生花や前衛的なお生花も見られるのです。


今日はお花屋さんへ、この展覧会用のお花を選びに行きました。
今回は軽やかで華やかな作品を、という目標を立ててお花を見たのですが
軽やかで華やかなお花が沢山あり、一つに絞れませんでした・・・。
結局、2作品分選んだのです。

どちらにしようかしら・・・?

協和会展で展示しないほうは、家元教室のショーウィンドーに展示します。

ご興味のある方はぜひ協和会展と中野の教室で、
軽やかで可愛らしいお生花、ご覧下さいませ。


◆◆◆花道協和会 52回展◆◆◆

会場 日比谷公園屋外陳列場
   (交番の横の入口を入って真っ直ぐ、テニスコートの前です)
会期 6月3日(金)〜5日(日)
   初日は正午・以降は午前10時開場、午後4時閉場

参加流派多数、都古流からは家元・小林一阿彌が参加します。
入場無料、どなたでもお気軽にお花を楽しんで頂けます。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。



posted by 385 at 22:13| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月31日

5月最後のお稽古

少し前まで「真体強化月間」として緑の枝ものを真体に生る
基礎訓練強化を行ってきた家元教室の皆さん。

今週はその成果を活かした応用編、爽やかな草物のお生花が教室を彩りました。

一芳さんのゴールデンスティック

花材は雨の雫のようなゴールデンスティックと
爽やかな色合いと柔らかい線が美しいキキョウラン。

これを生けた一芳さんは、いつも大きな伸び伸びとしたお花を生ける方です。

今回の作品はお生花としては小品ですが、
ゴールデンスティックの茎の硬い線を感じさせない
おおらかなキキョウランの使いっぷりに拍手です。



自由花は一伸さんの作品です。
一伸さんのスモークツリー

花材はスモークツリー・ガーベラ・モンステラです。

いつも静かにお花に向かい、柔らかな印象の花を生ける一伸さんですが
今回ははっきりとした色合いの花材を選び、くっきりとした作品を生けました。

例年よりもかなり早い入梅となりましたが、
赤と緑、力強い色合いで、雨なんか吹っ飛ばしてほしいですね。



雨といえば、都古流オリジナル復興支援花袋は
雨なんか寄せ付けない撥水ナイロン素材と明るい色柄で、梅雨にもぴったりです!

posted by 385 at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | お稽古のお生花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする